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宮古島コンサート、大盛況の裏側

「地域活声家」として、あらゆる場所でコンサート活動を行っているソプラノ歌手・曽根妙子さん。

 

2019年11月、沖縄県の離島「宮古島」でコンサートを行った。230人が集まり、立ち見ができるほどの大盛況だったという。

今回、曽根妙子さんとコンサートの発起人の「じゅんさん」にお話を伺った。

 

 

--じゅんさん、今日はよろしくお願いします。

 

(じゅんさん)

よろしくお願いします。

簡単に自己紹介をさせていただくと、私は若い頃からメディアに関わる仕事をしています。宮古TVの放送記者や、新聞記者、行政の広報誌の編集や通信員を経験してきました。今は、FM宮古で「かなす宮古」というラジオ番組のパーソナリティを務めています。(「かなす」は「愛しい」という意味の方言)

今回、妙子さんに宮古島でのコンサートをお願いしまして、開催までの準備に加え、当日は司会を担当しました。コンサートからしばらく経っていますが、未だ感動冷めやらず、という気持ちです。

 

(妙子さん)

じゅんさん、宮古島のコンサートでは大変お世話になりました。

そして今回は、静岡の松崎町まで遠路はるばる、ありがとうございます。

 

(じゅんさん)

FULL-SATOプロジェクトの集大成となるのコンサートを観れて、僕も感動しています。

※このインタビューはFULL-SATOプロジェクトの翌日に静岡県松崎町で行われました。

FULL-SATOプロジェクトの特集記事は「こちら

 

--宮古島でのコンサートを開くに至ったきっかけは何だったのですか?

 

(妙子さん)

以前、宮古島にある喫茶店でミニコンサートをやったことがあるんです。喫茶店ですので20人規模くらいの小さな会だったのですが、そこにじゅんさんが来てくださいましたね。

 

(じゅんさん)

フラダンスとのコラボレーションコンサートでしたね。フラダンスの方と知り合いだったので伺ったんですが、その時に私が妙子さんに惚れ込んでしまいましてね(笑)

プロの方ながらとても気さくで、旧知の友人のように話が弾みました。そして、染み入るような素晴らしい歌声。心の奥底に響いてくるあの歌は、妙子さんのお人柄あってこそだと感じたんです。そこで是非、より多くの宮古島の人たちに妙子さんの素敵な歌声を聞いていただきたいと思い、コンサートをお願いしました。

 

(妙子さん)

じゅんさんは常に全力の熱量をぶつけてくださって…。私のホームページの特集記事も全て読み込んだ上で、お声がけしてくださいましたね。ピアニストの方も既に決まっているから、と言ってくださって。

その上で、「こういう曲を歌ってください」というような要望ではなくて、「曽根妙子のこころうたを届けてください」という風に言っていただいたことを印象深く覚えています。「曽根さんの思いや、曽根さんが届けたいと思うものを、そのまま宮古の人に伝えたい」というお話だったので、本当にありがたく思いました。

 

(じゅんさん)

開催が決まった後は、「この機会を逃してはならない!」と思いましたから、とにかく動きましたね。

ちょうど、宮古島市内に未来創造センターというホールがオープンすることになっていたので、コンサート会場はオープン前から予約して押さえました。友人に声をかけて実行委員会を結成したのが、本番の2ヶ月半くらい前でしょうか。そこからは、協賛広告を取ったり、チケットを手売りしたりと、かなり急ピッチに準備を進めました。

 

--じゅんさん、コンサート開催に当たって苦労されたこと、大変だったことはありますか?

 

(じゅんさん)

実行委員会を立ち上げた時に、「オペラ歌手というのは敷居が高いのではないか、一般庶民にマッチするだろうか」という懸念の声がだいぶ上がりましたね。音楽に関わった経験のある委員が少なかったので、不安に思う声は多かったです。ただ、妙子さんにコンサートの内容を工夫してもらったことで、幅の広い世代に受け入れられやすい、素敵なコンサートにすることができたと思います。

それよりも、私が一番不安だったのは、ちゃんとお客さんが集まるかどうかということでしたね。これまで色々とイベント企画は担っていたんですが、200人を超える規模というのは十数年ぶりのことでした。実行委員の皆さんを中心に、ポスター掲示やチラシ配布など精力的に取り組みましたが、10日前の時点で、230席中45枚しか売れていなかったんです。チケットの売れ行きは成功の決め手ですから、親戚や友人、知人に電話やLINEで呼びかけるなど、必死になって取り組みました。すると、ギリギリにならないと動かないという宮古の島民性もあって、終盤に向かうに従って次々売れていきまして、当日は立ち見が出るほどの大盛況となりました。

 

--それはすごいですね。妙子さん、コンサートの内容はどのように工夫されたのですか?

 

(妙子さん)

私は、地域活声家という肩書きを付けて活動していますが、地産地消型の音楽活動というものをあらゆる地域に浸透させたいと思って活動を続けています。ですから、地元の音楽家やアーティストの方々とのコラボレーションは絶対にやろうと思っていました。一緒に出演してくださる方々が地元の音楽家にすることで、地産地消型の音楽活動が行われるきっかけ作りをすることも、今回のコンサートの目的のひとつだったんです。

 

 

今回は、1部は私のソロステージ、2部をコラボレーションステージという形にして、フラダンス、サックス、ギター、ピアノ、エレクトーンなどとコラボしたプログラムを作りました。

じゅんさんから「宮古の人はとてもシャイだから」と伺ったので、手拍子で参加してもらうようなスタイルよりも、私の「こころうた」を音楽でしっかり伝える形を目指しました。民謡の一部を使って編曲をしたり、最後の曲にはコラボした方々全員に出演していただいたりと、宮古の色を出したコンサートにすることで、宮古の方々の心に届くコンサートになったのではないかと思います。

 

--本番当日の様子を教えてください。

 

(妙子さん)

私は、じゅんさんをはじめ、宮古の皆さんが大々的にお出迎えしてくださったのがとても嬉しかったです!空港に着いたら、「曽根妙子さん」っていう大きな横断幕が広げて待っていてくださって、手作りのレイを首にかけて歓迎してくれたお気持ちがとても嬉しかったです。

 

 

リハーサルの時から感じましたが、宮古島の人々は、人との距離が近いというか、人口が少ないからこそのコミュニティ内の仲の良さがとても温かくて、素敵な場所だと感じました。

コンサートは満席の上、立ち見のお客様もいらっしゃって本当にありがたかったです。何より、プログラムが進むにつれて、拍手の雰囲気が変わっていくのを感じたんですね。はじめはお客様も緊張されているような様子だったのが、段々と打ち解けていき、涙を流して聴いてくださる方もいらっしゃって…。

お互いに知らない同士の関係性ですが、私が今できるこころうたを伝えようという気持ちがお客様に届いたのかな、と思うと、本当に来てよかった、と感じるコンサートでした。

 

(じゅんさん)

感動の余韻が、ひと月たった今でも自分の中に残っているんですよ。本当に素晴らしいコンサートでした。来てくれたいろんな方々から、感激した、行ってよかった、素晴らしかったと嬉しい言葉をたくさんいただきます。妙子さんのうたが多くの人に響いたんだと改めて感じています。

 

コンサートの様子は宮古新報でも報じらました。

 

--次回のコンサートの計画はありますか?

 

(じゅんさん)

ありがたいことに、「是非またやって欲しい」「来年も聴きたい!」という声をすでにたくさんいただいています。

今回は、音響設備も不十分で照明設備も少ない会場でしたので、次の機会には設備の良いところでやりたいですね。ちなみに、宮古島で一番大きなホールは892席もあるんです。そこで開催するのが私の夢の1つです。もちろん実現するには年単位の企画になりますし、資金繰りや集客は並大抵のことではないと思いますが、何事もチャレンジだな、と思います。興行師でもイベント屋でもない素人の私がこうやってチャレンジさせてもらえるなんて、ありがたいことです。

妙子さんのうたの良さをしっかりと伝えるために、ベストな環境を用意するのはこちら側の役目ですからね。是非、あまり間をおかずに実現させたいと思っていますよ。

妙子さんのコンサートは、「芸術的に高い音楽を届けるというよりも、聴衆みんなで楽しめるコンサート」という感じがするんです。音楽を通じて自分を許せたり、心を開いたり、共感したりと、心身共に楽になれる。コンサートに来ることで癒され、明日への活力を掴むことができる。そんな機会を作っていけたらいいな、と思っています。

 

(妙子さん)

嬉しいお言葉、ありがとうございます。

本当にこれはうたで繋がったご縁、うたのおかげだなと思っています。

「音楽」は、「音を楽しむ」ことだけではなく、「音で楽になる」ことだと私は思うんですね。私自身が、うたで楽になることを体験してきているので、私のこころうたを通して、楽になる人が増えますように、こころうたが必要な人のもとへ思いが届きますように、という気持ちで日々コンサート活動をさせていただいています。じゅんさんは、私のこのメッセージを受け取ってくれたからこそ、宮古の人に私のうたを届けたいと言ってくださったのだと思います。

 

(じゅんさん)

今回、松崎町のコンサートにお邪魔して思ったのですが、妙子さんは1日1日をとても丁寧に生きてらっしゃるなと感じます。松崎の皆さん一人ひとりと真心で接している。そういう丁寧さが多くの人を惹きつけるのだと思いますし、それこそがこころうたの原点なのだと思いました。

妙子さんと接していると、不思議と妙子さんのために何かしたい!という気持ちになるんですよね。妙子さんの歌声には大きな力が宿っているのではないかな、と。妙子さんのコンサートは、妙子さんから大きなエネルギーを受け取って、他の聴衆と共有して自分のエネルギーにすることができる、そんな素晴らしい空間なんです。

だからこそ、コンサートを作る側の人間として、私が妙子さんの生き方や考え方を自分がしっかり吸収し、お客さんに提供していけたらなと考えています。65歳になって見つけた新たなチャレンジですね。

 

--二人がお互いに尊敬し合っている素敵な関係性だと感じました。私も宮古島のコンサート行きたいです!

 

(妙子さん)

宮古島は人も自然もとっても素敵で、私が大好きな故郷(ふるさと)の1つです。

宮古島にはこれからも通い続けたいですね。じゅんさん、今日はありがとうございました。

 

(じゅんさん)

話しながらコンサートの情景が思い浮び、感動が蘇ってきましたね。

こちらこそ、ありがとうございまました。また宮古島でお会いしましょう。

 

 

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