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私が全国でコンサートを行う理由

 

facebookの投稿を見るたびに滞在している場所が変わっていることも珍しくない。

昨年は全国各地80公演を行なったという。

どうしてそこまで動き回れるのか?その原動力を聞いてみた。

 

――妙子さんのコンサート活動はかなり広い地域にわたりますが、今全国でどのくらい広がっていますか?

 

北海道から沖縄まで、あちこち飛び回っています!都道府県でいうと、沖縄、静岡と、東京がメインで、他には神奈川・千葉…。最近だと、大分や長野や宮城県の石巻にも行きました。

海外にも行きましたね。去年はスペイン・香港、今年はタイ、ベトナム(2019年4月時点)。今後も活動を広げていって、日本に限らず海外へもどんどん足を運んで、色んな人たちに会ってみたいと思っています。

 

 

――海外までとは、広いですね。都内にとどまらず、各地をまわってコンサートをされているのはどうしてですか?何かきっかけがあったんでしょうか。

 

自分が行ってみたいから、というのが理由の一つかもしれません。私、元々旅行が好きなんですよ。国内・海外問わず、色んなところへ行ってみたいと常に思っているので、コンサートで各地を旅できるのはとても幸せでありがたいことです。

 

あとは、各地をまわる何よりの理由は、うたが人と人とを繋げるツールになったらいいな、という思いがあるからです。コンサートホールでうたうような、いわゆる芸術としての音楽活動だけではなく、もっと身近に音楽を感じられるような活動がしたいんです。生のうたを聴いたことがない人にも音楽を感じてほしいし、うたで会話するような感覚やその楽しさを知ってほしい。

「こころうた」をたくさんの人がうたうことで、色々な人の「こころ」が広がって、人の笑顔が繋がっていけたら素敵だな、と思うんです。そんな思いから、「えがおのわっか」という曲も作詞しました。

 

――「えがおのわっか」というのはどんな曲ですか?

 

「妙子と愉快な仲間たち」というユニットを組んでいた時に作った曲です。初めてのコンサートに合わせてオリジナル曲を作ろうということになって、ボーカルだった私が作詞を担当しました。

 

 

とは言っても、私は作詞をするのはその時が初めてで、勝手も何もわからない状態だったので、「私がうたで伝えたいことを歌詞にしよう」と決めて、シンプルで伝わりやすい言葉で作詞しました。

 

一部ご紹介すると、「音楽で出会えた仲間たち アンサンブルから生まれる笑顔 そこは音楽の光で満たされる 音楽と共にえがおのわっかを広げよう あなたの心が温かくなるように」という歌詞があります。音楽がきっかけで、心が温かくなったり笑顔になったり、という体験を広めたくて作った曲です。

 

――歌詞もメロディもとても素敵な曲です。音楽を通じて人々の心が通い合ったという妙子さん自身の体験を聞かせてもらえますか?

 

音楽を通じてだと、、、2年前のイギリスかな。言葉が通じなくても心を動かすことができた話があります。

その頃私は、もともと用意されたステージではなく、誰も私のことを知らないという環境で歌ってみたかったんです。そこでイギリスの友人に頼んで、あるコンサートに参加できることになりました。何名かの出演者のうちの一人としての出演だったのですが、私の番になって、私がうたい出した瞬間、会場内の空気がぶわーっと、明らかに変わったのを感じたんです。「わー!私のうたが届いている!!」音楽があれば国境を越えられる、言葉を使わずにダイレクトに伝えることができるんだ、と肌で感じた瞬間でした。

昨年スペインに行った時にも同じことを感じましたね。その時はいわゆるサロンのような場で、客層もクラシックを日常的に聴くような方々だったのですが、私のうたで顔色が変わる、拍手が変わる、その場の空気が変わる体験をしました。音楽で世界中の人と関わり合える感動は、今でも忘れられません。

 

 

――言語の違いを超えて妙子さんの「こころ」が伝わった瞬間だったんですね。今後の活動で、更にチャレンジしていきたいことはありますか?

 

先程お話しした海外コンサートの経験を通して、もっともっといろんな場所で、世界中の人たちと対話したいという気持ちが強くなりました。うたでは伝えられた部分があったので、今度は感情を交わしたい、お喋りしたい、もっともっとこころうたの本質を伝えていきたいんです。

私が日本でソロコンサートをやる時は、曲自体の解説やセレクトした理由をお伝えしながらうたっているんですけど、海外公演でも同じように、うたに元々織り込まれているこころや、私が更に膨らませた思いをお話した上でうたえたら、今よりもっとお客様と会話するような時間を作れるかなって。

 

――では、各地を巡っている妙子さんは、これから行ってみたい国や場所はありますか?

 

アフリカとか行ってみたいですね(笑)まったく言語の通じない状態で、人種も文化も違う中で、すべての理性を取っ払って交流してみたいんです。アフリカの原住民族の音楽って、うたというより「音」のようなイメージがあるんです、本能的、というんでしょうか。いわゆる固定概念のような枠は全くなしで、本能という感覚だけを研ぎ澄ませて、アフリカの人たちと一緒にうたってみたい。うたというより、叫びのようなものになるかもしれませんが…むしろその中に発声の本質があるような気もします。

 

――アフリカですか!先程のお話とは真逆な面からのチャレンジですね。

 

意図や思いを説明しながらうたを届けたい、という話とは対極のように思われるかもしれませんが、私の中ではどれも同じ「うた」なんです。理性的な理論を持った「音楽」と、感覚だけに頼ったいわゆる「音」、そのどちらも必要で、大切にしていきたいものです。

私には、とにかく表現したい、伝えたいという思いがあるので、その幅を広げられそうなものはすべて取り入れていきたいんです。相手にどうしたら伝わるか模索して、言語的なアプローチから体や心の表現まで、自分の持っているツールを全部出して、全身全霊で伝える、それが私の「うた」であり、私自身だと思っています。

 

曽根妙子の今後のコンサート予定はこちら

 

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